悉曇は、真言密教の聖なる文字でございます。 ふつうの意味での文字とは少し違うのかもしれません。一字一字がひとつの門であり、 仏へ、菩薩へ、千年以上ものあいだ息づいてまいりました力へと、静かに開かれてまいります。

悉曇(梵語で「完成されたるもの」の意)は、九世紀に空海が中国より日本へ伝えてくださった聖なる文字でございます。真言密教の儀礼の核を成しております。日本では梵字とも呼ばれ、一字一字に仏の種子が宿っているといわれてまいりました。
これは譬えではないのかもしれません。真言の伝統において、悉曇の一字一字は、仏や菩薩のお姿が生きた形で宿るものとされてまいりました。僧が悉曇を書するとき、抽象的な象徴を観じているのではございません。その文字に宿る尊と、静かにふれあうことなのでございます。書そのものが、ひとつの儀礼となってまいります。
マーク・ホサック博士は、京都の寺院にて三年間この伝統に身を置いてまいりました。禅僧の師のもとで、日本と中国の書道を修めさせていただきました。そしてハイデルベルク大学の博士論文『日本美術における悉曇 — 治癒の儀礼』において、悉曇と霊気、九字切りの結びつきを学術的に明らかにしてまいりました。その根は仏教だけにあるのではございません。修験道、神道、そしてシャーマニズム的な道教の伝統へと、深く広がっております。
真言霊気においては、このつながりが今も息づいてまいります。西洋では抽象的な記号として伝えられてきた霊気の象徴も、ここでその源へと静かに帰ってまいります。一つひとつの象徴に、もとの悉曇がございます。そして一つひとつの悉曇が、ひとつの門を開いてまいります。

どの記事もそれぞれの門でございます。最初にどの門をくぐるか、ご自身の心にお委ねくださいませ。

「薬師如来の七つのお姿のおひとつ(七仏薬師)を真言の誦に組み入れていただいたことで、会全体が新たな次元へと導かれてまいりました。悉曇の象徴 bhai と過ごした実践は、私にとってとりわけ忘れがたいものとなりました。」
「中サイズの薬師如来真言を誦しながらの素晴らしい会に再びお参りさせていただきました。今、その実践を日々のうちに取り入れさせていただいております。定めた期間のあいだ、中サイズの薬師如来真言を百八遍お誦えしてまいります。あの美しいエネルギーの中に再びおりまして、日ごと、その満ちが深くなっていくのを感じております。」
どうぞ、お好きな文字をクリックなさってみてくださいませ。書のお姿を大きく拝見し、その音に耳を傾け、どの仏のお姿が宿っているかをお感じいただけます。
こちらの書はすべて、マーク・ホサック博士が一筆ずつ手書きしたものでございます。
こちらの書はすべて、マーク・ホサック博士による手書きの作品でございます。ここでお見せしている六つの音は、真言の伝統に伝わる広大な悉曇の文字より、ささやかにお選びしたものでございます。
マークの著書には、悉曇のすべての物語がしるされております — インドから中国を経て日本へと伝わり、霊気の実践へと結ばれていく道のりでございます。そして真言霊気の道においては、どの書物にも記しきれないものに、そっと出会っていただけるのかもしれません。生きた文字の力への伝授でございます。
マーク・ホサック博士は、ハイデルベルク大学にて霊気と九字切りの源流について博士号を取得いたしました。京都の寺院に三年間身を置き、四国八十八ヶ所の巡礼を徒歩にて結願いたしております。『霊気の象徴 大全』をはじめとする著者でもございまして、二十五年以上にわたり真言霊気を伝えてまいりました。